LANDSAT衛星画像のカシミール3Dでの利用方法
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Created on 2002/04, Last Update
アメリカ合衆国の科学衛星「ランドサット(LANDSAT)」が高度700Kmから撮影した解像度30mの画像データが公開されています。この画像データと標高データ(SRTMまたはGTOPO30)をカシミール3Dという風景シミュレーターを用いて、旅先の風景を再現するための方法を説明します。
シミュレーションの結果をまずご覧ください
サントリーニ島(スィラ島)、ギリシア
アレッチ氷河とユングフラウ付近の山々、スイス
富士山、日本
風景シミュレーションの概念
LANDSAT衛星画像を標高データの上に貼り付けて(マッピングして)実際の風景をシミュレートします。
利用ソフト (Windows)
- カシミール3D (地図ブラウザ、風景CG作成のためのフリーソフトウエア) http://www.kashmir3d.com/
- ランドサット衛星画像(TM, ETM+ 専用) カシミール3D用プラグイン http://www.kashmir3d.com/landsat/
- スペースシャトル・レーダー(SRTM) カシミール3D用プラグイン http://www.kashmir3d.com/srtm/
利用するデータ
- ランドサット衛星画像(Global Land Cover Facility : Earth Science Data Interface :ESDI)http://glcfapp.umiacs.umd.edu:8080/esdi/index.jsp
- スペースシャトル・レーダー地形データ : SRTM ftp://edcsgs9.cr.usgs.gov/pub/data/srtm/
- GTOPO30 DEMデータ http://edcdaac.usgs.gov/gtopo30/gtopo30.asp
ダウンロード方法の簡単な説明
ランドサット衛星画像
(1)メニュー「MAP SEARCH」をクリック
(2)左側ペインの「ETM+」と「TM」のチエックボックスをチェック
(3)地図上のターゲット ポイントをクリックし拡大
(4)地図ウインドウ情報にあるツール(ルーペや拡大縮小など)の「四角枠の選択ツール」をクリック
(5)地図下に「Preview & Download」と表示されるので、そこクリック
(6)データセットのID番号をクリックするとプレビューエリアに縮小画像とターゲット地図が表示される
スペースシャトル・レーダー地形データ SRTM
(1)上記ftpサイトにアクセスする
(2)大陸・地区のディレクトリを選択
(3)緯度、経度のファイル名となっているので必要箇所をダウンロード
※ ターゲットの緯度、経度はあらかじめGTOPO30などで調べておくと便利
※注意事項
ダウンロード高速化ツールなど同時ダウンロードするとブラックリストに載るようです。1個ずつおとなしくダウンロードしましょう。
ランドサット衛星データの説明
TMセンサー Thematic Mapper (LANDSAT 4号、5号)
SENSOR | SPECTRAL RANGE (μm) | Resolution (m) |
Band 1 | 0.45~0.52 (青) | 30 |
Band 2 | 0.52~0.6 (緑) | 30 |
Band 3 | 0.63~0.69 (赤) | 30 |
Band 4 | 0.76~0.9 (近赤外) | 30 |
Band 5 | 1.55~1.75 (近赤外) | 30 |
Band 6 | 10.4~12.5 (遠赤外) | 120 |
Band 7 | 2.08~2.35 (中間赤外) | 30 |
ETMセンサー Enhanced Thematic Mapper (LANDSAT 6号)
ETM+センサー Enhanced Thematic Mapper Plus (LANDSAT 7号)
SENSOR | SPECTRAL RANGE (μm) | Resolution (m) |
Band 1 | 0.45~0.515 (青) | 30 |
Band 2 | 0.525~0.605 (緑) | 30 |
Band 3 | 0.63~0.69 (赤) | 30 |
Band 4 | 0.75~0.9 (近赤外) | 30 |
Band 5 | 1.55~1.75 (近赤外) | 30 |
Band 6 | 10.4~12.5 (遠赤外) | 60 |
Band 7 | 2.09~2.35 (中間赤外) | 30 |
必要なデータだけダウンロードしてもいいのですが、フルセットでダウンロードしておくことをオススメします。
具体的な使い方
■ ランドサットデータの準備
(1)ダウンロードしたランドサットデータの存在するフォルダをエクスプローラなどで開きます
(2)*.met.txt と拡張子に余分な「.txt」が付いているものをはずします。(IEなどでダウンロードした場合)
(3)圧縮ファイル(.gz)を解凍します。
■ SRTM(スペースシャトル・レーダー地形データ)の準備
(1)ダウンロードしたファイル(*.hgt.zip)を解凍します
(2)適当なフォルダを作り、地図として表示したい範囲のデータファイルを格納します
※ 同一フォルダの中のデータファイルは自動的に結合されてカシミール3Dで表示されます
■カシミール3Dでの準備
※ ランドサット用プラグイン、SRTM用プラグインはあらかじめ組み込んでおく
(1)「ツール」 - 「ランドサット衛星画像」 - 「ランドサット衛星画像の変換」をクリック
(2)ランドサットデータの存在するフォルダのメタファイル(たいていの場合 *.met)を選択
(3)変換後のXEMファイルを保存するフォルダを選択して、変換開始
※ データ変換後、必要なファイルは *.xem のみです。ダウンロードしたランドサットデータは消去可能
計算中 ~ ワークステーションのスピードにより違いますが、30分程度は掛かります
(4)変換完了。変換した画像データを開きます。地図の位置がでたらめな位置(大抵は北緯0度、東経0度)になっているので、データの存在する範囲までジャンプする
(5)「編集」 - 「標高データを重ねる」 をクリック。SRTMデータの存在するフォルダの適当な *.hgt ファイルを選択
標高データを持った衛星画像地図が画面に表示される
■ カシミール3Dでの風景CG(シミュレーション)作成
(1)任意の視点位置で「カシバード」起動
(2)「風景の設定」 - 「マッピング」で自動的にマッピングするを必ず選択。そのほかのオプションは任意で...
(3)「設定」 - 「プレビュー(Direct3D設定)」で、「テクスチャ機能を使用する」をOFF
※ 私の常用環境下で「テクスチャ機能 ON」で DirectX プレビューするとプログラムが落ちました。巨大テクスチャを貼ることはできないのでしょう...
アメリカの納税者に感謝しつつ、衛星画像によるシミュレーションを楽しみます...